あっちこっち飛び猫

小説を書いたりゲームを作ったり、たぶんマルチクリエイター。お仕事も募集中。

あっちこっち飛び猫は移転しました。

押し絵&ちりめん縫い物の展示会に行ってきました~好きなことは強い~

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行きつけの整体の院長のお母さんがちりめん縫い物の展示会を開くと聞き、院長に場所を聞いてふらっと行ってきました。


「ちょっと行って、さっと見て帰る」そんなつもりで行った。

だが。

GW直前の卓球練習の前。私は「好きこそものの上手なれ」という言葉を目の当たりにしたのだった。




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長いことお世話になっている整体の院長のお母さんは、ちりめん縫い物界ではそこそこ名の知れた方らしく、昔は趣味で縫い物をしていた程度だったのだが、団地の展示会に飾っていたそのちりめん縫い物を見た演歌歌手が「これ、仕事になるわよ!!」と、TVで使ってみたりをし、齢60を過ぎた今では個展を開くまでになったのだ。

とはいうものの、「ちりめん」といえば「ジャコ」としか出てこない私。
ありがたみも何もなく、ただ単に、卓球の練習会場から歩いていける距離にギャラリーがあるから、練習前にちょろっと行くかなという気分で向かっただけである。

しかも、なぜか監督までどさくさに紛れてついてきている。

展示会終了間際15分くらい前にギャラリーに到着した私は、「どうも~いつもお世話になっております、川島千夜ですぅ」と、千夜人前モードになってご挨拶。

※千夜人前モードの他に、千夜本音モード、千夜酒乱モード、千夜ニーチェモードがある。千夜ニーチェモードになった場合、壁の方を向いてうずくまり「神は死んだ」としか言わなくなるので注意※

するとまぁ、元気溢れる奥様と共にこんな作品が眼前に広がったのだ。

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なにこの、昔話に出てくるようなステキ空間。

ちりめん縫い物の他に、押し絵という、羽子板のあの飾り部分を作っているような、「絵だけど布」という作品も作っておられるようで、なんというか、japaneskな外国人が「エキゾチックジャパーン」とか言いながら、バシバシ写真撮っていきそうなレベルの作品が所狭しと並んでいたわけですよ。

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もちろんこの浮世絵的な女の人の絵も、布と綿で出来ている。



卓球行く前に、しかもジャージで、安西先生みたいな監督まで保護者として連れてきちゃって申し訳なさ過ぎる。

というか、監督も隣で脂汗かいてる。



このちりめん縫い物&押し絵の先生は内藤安子先生。
趣味が高じて、「ずっと縫い続けてたら、こんなことになっちゃってね。ほほほ」と笑うその姿には、クリエイターとしての後光が差している。


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この、木の板に貼られた押し絵も、某小説家の書籍の表紙として使われた一品らしく、
「1枚じゃ物足りないから、続きも作っちゃったの」と可愛らしく小首を傾げていた。

興奮した私は「も、勿体ない!! アメリカのお金持ちとか、日本風を目指しているエセホテルとか絶対に買いたがりますよ! あやつら、娯楽に対する報償は日本人の比じゃありませんよ!! 売りましょう!! 私が仲介しますよっ」と、薄汚い日本人丸出しで口走ってしまった。

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こんな作品を手がける内藤先生だが、かなり高齢で、しかも過去にガンを患ったこともあったらしいのだが、驚くほど若々しくて元気だ。


「好きなことをして、ストレスをためない。嫌なことからは逃げちゃえばいいの。だって、人生100年もないんだから、勿体ないでしょ」


と、きっぱりという姿に、自分の40年後を重ねたいと思った。



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因みに、お邪魔したGALLERYは普段、藤川貞夫画伯がお使いになっている個人GALLERYで、その日は部屋の片隅に邪魔そうに絵が詰まれていたのだが、これまた、涎が出るほど素晴らしい絵画。

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GALLERYの奥様が「私は人と話したいから、こうしてGALLERYをひらいてるのよ。この人は絵を描いてりゃいいの。あっはっはっは」と豪快に笑っている後ろで、控えめに笑っておられる姿をみて、モノツクリ人はこうあるべきか……と思ったが、この出しゃばる私の性格は地なのでどうしようもない。


途中、コーヒーまで入れてくださり、そのカップを一目見た監督がぼそっと「あ……これ、鑑定団とかで値段つけられるような代物だ」とつぶやき、共に手が震えたりもしたが、ともあれ良い経験をさせていただきました。

余談だが、コーヒーカップの話題から古いものを大切にするという話題になり、GALLERYの奥様が「このゴミ箱もねぇ、私が産まれた時から使っている、年代物なのよ」と言ったとき、つい、千夜本音モードが出てきてしまい、「じゃあ、そろそろ付喪神になりますね」と言いそうになったことは、ここだけの秘密だ。

ん? いや、言ってないよ。うん。


そんなわけで、ちらっと行って帰る予定だった個展で思いもよらない「好き」のパワーをいただき、2016年後期分のものつくりパワーをいただいてきました。




色々な「好き」をやっている私ですが、「好き」の力は「嫌い」の力よりはるかに大きいので、止めることなく突き進んで行こうと思います。


※展示会や絵画の写真は、両先生のご許可をいただき撮影・使用させていただいております※