初めての刀削麺。そのお味の感想と中華料理店のお話
中華料理番組でよく見かける、小麦粉の塊を、柄のない包丁で「シャッシャッシャ」と削ぎ、麺として食べる「刀削麺」あれ、食べてみたかったんですよ。
でも、そんな本格的な中華を食べられるところなんて、都内に出ないとない……そう思っていたんですが、見つけました。
八千代台駅から徒歩3分。
ちょっと過疎化気味のそんな駅のすぐ裏に、「これぞ中華屋!!」と言わんばかりのそのお店がありました。
入った時刻は夜六時半。だが、店内にはちょっと疲れた様子のウエイトレスの女性が一 人。
「イラシャマセ、オスキナオセキ、ドジョー」
と言われるがままに、隅の席へ腰を下ろす。
あまりに人気が無く、だんだん不安になる私。
もしかして、気を抜いた瞬間に白い煙とか出てきて、意識が途切れて、次に目を覚したら、裏社会行きの船の倉庫なんかに寝かされていたりするんじゃないか
そんなことを、目の前に座る旦那に言うと、
三十路過ぎた雌ゴリラを売買するマフィアなんていないよ
と言われ、妙な安心感を覚えた。
それにしても静かだ。
私は「酸辣刀削麺」を。旦那は「揚げ鶏の特製ソース」を頼んでいるのだが、全く厨房から音がしない。
私の中での中華料理屋は、白い服の汗ばんだおっさんが「くぁwせdrftgyふじこlアイヤ」とか言いながら、中華鍋ガンガンに振り回しているイメージしかなかったのだが(失礼)、どうしてこんなに静かなのだろうか。
もしかして、奥の方から「チン♪」なんて音が聞こえてくるのでは……。
と戦々恐々していたら、奥の方から聞こえたのは「ガコン」という音で、どうやら2階が厨房になっているようで、料理はエレベーターで運ばれてくる仕組みになっていたらしい。
カンフーハッスルに毒された己の脳を恥ながら、ウエイトレスさんが刀削麺を持ってきてくれるのを待つ。
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そして「オマタセシマシタ-」と目の前に出されたのが、この刀削麺。
そして、料理が運ばれてくる間に、続々とお客さんが入り始め、そろう頃には満席に。
どうやら私たちが早かったらしい。
思えばこの日は金曜だ。仕事もあるであろうサラリーマンたちが、六時早々に中華料理屋に入るわけもなく、疑ったりして本当に申し訳ないと、グツグツ口の中で言いながら早速初刀削麺を食べてみる。
太麺(あたりまえだ)が、もちもちとよい食感を与えてくれる。
とろみのついたスープが、辛さと酸っぱさをその刀削麺に絡めてくれて、決して味が薄れるということもない。
なにこの、本格的な中華。
私の作る「豆板醬が無いからケチャップだけでいっか♪」という、エセ中華とは分けが違う。
旦那が頼んだ「揚げ鶏の特製ソース」も、これまた甘酸っぱく、ナッツを含んだ衣がコリコリとして、思わず「はぁぁっ!!」と吐息が漏れるほど美味い。
他にも天津が食べたくなり、旦那は肉まんを、私は小籠包を注文したのだが、一口食べて「皮から手作り!!」とわかるほど、美味い。
先ほどまでの不信感を、今ココで土下座して謝りたいほどの本格中華っぷりに感動。
美味しかったです! また来ますからっ
と帰り際にニコニコ顔で言った私に、
「ドモー」
と冷静な対応をしてくれたウエイトレスさんにも感謝しつつ、「刀削麺は美味い」という記憶を新たに埋め込んだのだった。
ちなみに、このお店のメニューは豊富で、刀削麺も二種類ほど選べる。
後日談だが、この酸辣刀削麺を食った翌日、普段辛い物を食いなれていない私の尻が火を吹き、「肛門が辛い」という、これまた新しい感覚を知ったのだった。
本日の名店
中国菜家 香満園
↑早い時間だと人は少ないので、逆に狙い目!!