猫神様に会った時の話
最近、どうでも良い話ばかりが続いているが、現在LUGEプロジェクト&卓球の大会目前にて、メンタル的に落ち着かないので少々堪忍してほしい。
堪忍されたついでに、どうでもよい小話を再びさせてもらうが、猫の出産に立ち会ったときの話でも書いたが、私は猫神様に会ったことがある。
まぁ、私が勝手に猫神様と名付けているだけで、恐らく真の姿は単なる「ジャージのばーさん」になるのだろうが、ファーストコンタクトがあまりにも衝撃的だったため、猫神様と認定している。
そのファーストコンタクトなのだが、我が家には家猫5匹に加え、外猫(というか、引っ越し前から地域猫としてうろうろしていた野良猫)が餌をねだりに来るため、朝晩玄関前に餌を置いて、しばらくすると回収する……という生活をしている。
その日も、外からニャーニャーと猫の声がするので、「はいはい」と一人暮らしの老人の如く、よろよろと寝起きの頭を抱えてエサ入れに餌を入れて、玄関を開けた。
そしたらいた。
真っ白な、見事な白髪の老婆がジャージを着こなし、玄関……というか、ドアの真ん前にいた。
どうしてこうも私のドッキリは、本当にドッキリなのだろうか。
「警察」「ホラー」「出会うヒト」「やっちゃった」「お迎え」「俳諧」「痴呆?」など端的な単語が土石流の如く脳内にあふれ出て、私の口から出た言葉が、「猫、足元にいますよ」だった。
私の間の抜けた言葉を鼻で笑った老婆は、足元に絡みつく野良猫を撫で、「あんたには猫神様がついているんだよ。もっと猫を可愛がってあげてねぇ」「猫を可愛がる人には、福が来るから。まぁ、宝くじが当たるとかそういったことは来ないけど。はっはっは」と、大量の猫の餌を玄関の前に置き、(しかもイタリア製のお高い奴)、向かいの空き地に止めてあったアウディーに乗ってさっそうと去っていったのだ。
神にしてはずいぶんと現実的だが、近所中の猫を足元にまとわりつかせ、去っていくその姿は、私には猫神に見えたのだ。
あれ以来一度も会ったことはないし、来訪を受けたこともないが、いい加減あの猫神様がアルマーニのジャージを着ていたことを忘れたい。