お口の天国、とろ生バームクーヘン
それはあまりに美味く、もはやバームクーヘンと言えるものではなかった。 近所の道の駅で出会ったそれは、つやつやと美しい赤を発し、私たちを誘っていた。 それが、とろ生バームクーヘン、季節限定のいちごである。
冷凍された状態で売っているそれは、1時間くらい冷蔵庫に入れて溶けた状態で食べればとろっと生。
冷凍された状態で食べると、しゃりっとアイス乗せバームクーヘン。
私は、冷凍し半分溶けかかった状態で「しゃり」と「とろ」が同居するその極上の中間で食べるのが一番好きだ。
甘すぎず、すっぱすぎないそれは、まさに穢れていない時代のキスの味。
んな時代あったかは覚えていないが。
そんな、私と旦那のなかで「キング オブ ザ バームクーヘン」に位置していたソレと、再び相まみれるときが来た。
たまたま誘われた他チームとの練習試合で遠征した先に、このバームクーヘンの本店「せんねんの木」があったのだ。
喜び勇んで、小さなバームクーヘンを注文する私。
一番人気のチョコ。4種のベリー。そしてマンゴーヨーグルト。
神が人間に「味覚」というものを与えてくれたことを、感謝する。
たぶん、毒かどうかを見分けるために発達した機能だと思うけどね。
小ぶりに見えるが結構重い
チョコはメインであるらしいが、他はその時期によっていろいろと変わってしまうので、季節の移り変わりを感じさせるこの儚さがいい。
中をさくっとしてみたところ
もちろん、トロっとシャリっとは変わらず、四種のベリーは酸っぱくて、やっぱり穢れていないときの――以下略。
そして、マンゴーヨーグルトはものすっごくさっぱり。
他よりふんわりしているのに、しつこくなく、むしろ、「もっと」「もっと」と舌が彼を求めて止まない。
王道のチョコは、もはやカメラのピントを合わせるのが困難なほどに、濃厚かつ芳醇なチョコ。
それがちょっとシャリッとしつつ、軽めのバームクーヘンと口の中にIN。
極・楽
ふとしたはずみで天国を見つけることができるのだから、まだまだ人間捨てたものではない。
私はパティシエに感謝と敬意を込め、本日のブログは終了とする。
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