畑弄り体験の感想
夏も盛りの7月下旬。
かねてから「農業っていいよね」と、叶いもしない脱サラの夢を見てきた旦那に、「畑仕事」というモノを味あわせてみよう……という話が盛り上がったわけではないけれども、友人のご好意により、友人のお母さんがやっている畑にて、「収穫」と「種植え」の体験をしに行くこととなった。
なんかスゲー茂ってますけど!!
ワイルドな友人のお母さん曰く
「ウチは日当たりの悪い区画だからね、ミョウガばっかり茂っちゃってね。はっはっはっは!!」
とのこと。
いやいや、ドラム缶突き破ってミョウガが茂ってますから、というかもはや自生してますから。
友人のお母さんとは初めてお会いしたのだが、かなりワイルドな方で 「家族旅行した時に、私だけバンジージャンプした」
「剣道? 段もってるわよ」
「ああ、合気道やったけどつまらなかったわ」
「最近卓球やってるの」
「クソ度胸」
などと、面白い言葉が漏れる漏れる。
そんなお母さんに従い、そこら辺に落ちている杉の枝を拾ってきて、コの字に囲まれたレンガの空間に投げ込む。 どうやら、杉には油が乗っていて火がつきやすいらしい。
「昔はねぇ、マッチ2本と新聞紙1枚だけでストーブをつけなきゃいけなかったから、私は火をつけるのが得意なのよ」 と、物騒なことを言いながらお母さんがかまどに火をつけ…………って、あれ!?
まずは腹ごしらえ(BBQ)からですか!?
お母さんの車から出てくる肉と野菜とおにぎりとビールに、格の違いを見せ付けられつつ、超絶美味い焼肉を堪能。
昼真っから酒の入った千夜、虫なんて屁とも思わなくなってきました。
畑の片隅にある釜やテーブルはこういうためのものだったのですね。
気が大きくなったところで、いよいよ畑仕事。 デング対策にも非常に有効な「蚊取り線香」を身につけ、いざ出陣。 旦那もデング熱からナニを守りたいのだかは知らないが、股間に蚊取り線香を身につけ、非常に誇らしげだ。
この時期はまだデング熱上陸などのニュースは一切流れてなかった
夏の気温。昼間っからのビール。畑仕事。 農業と言うのはこんなに楽しいものなのかとヘラヘラ笑いながら、ヒトの顔ほどの大きさに育ったインゲンを収穫していく。
足元では旦那が土を耕し大根を植えているが、酔った私はおぼつかない足取りで撒いた種の上を踏みしめていく。
途中、インゲンと間違えて一握りほどの大きさのバッタを捕まえてしまうも、いい具合に出来上がっていた私は「これ違う!!」と、ミョウガの海へと放り投げる。 なんというか、お酒って怖いって今書いてて思う。
汗だくになりつつ旦那は大根の種を植え、私はインゲンを大量に収穫。 そして、たまに残っていた肉や野菜を食す。
写真のフォーカスもインゲンよりもBBQに合ってしまう
そんな楽しいお仕事をして1時間。 「これ以上は熱中症になるかもしれないから、今日はもう終わり」とお母さんが幕をひく。 ………………。
え!? 30度超えの体育館で2時間ぶっ通しで卓球やるよりメチャクチャ楽なんですがっ!!
ヤバイ、このままだと本当に旦那が脱サラしかねないほど農業が楽しくなってしまう。
すでにできあがっている旦那。
実際は、天候に左右され、なんのノウハウも無い人間がやれば育てるどころか、発芽すらしないかもしれないので、今回は「ある程度手の入った畑で、楽しく農業体験ができた」ということで旦那には納得してもらいたい。 何より、私の舐めるような印税収入で彼に脱サラされるわけにはいかない。(現実)
いつも美味しいお野菜をありがとう、農家のおじさん、おばさん。 そして、面白い体験をさせてくれてありがとう、友人のお母さん……。
後日談
畑仕事体験から1ヶ月半ほど経ったある日、友人が収穫物を持って来てくれた。 旦那が植えた大根と、小ぶりに出来たかぼちゃ。
小ぶりながらも(はつか大根は結構でかく育っている)しっかり育った野菜。 これは非常に嬉しい。 なんというか、小説が1作仕上がった時と同じような気分になれる。
嬉しそうに大根を眺める旦那を見て思う。 満員電車に揺られ、日ごろPCの前に座って怒られ侍をしている旦那が畑仕事に憧れるのも…………無理は無いなと(苦笑)